2010年11月08日
作品179 実録!! ~首領(ドン)去勢の事実~
実録シリーズ第二弾!!
首領(ドン)去勢の事実 FINAL
「 去勢の事実 」
そんなこんなで、
間もなく春が来ようとしていたある日、
ネットで注文していた犬舎が届いた。
すごい量の材料が、狭い我が家の駐車スペースを埋め尽くした
この犬舎は、基礎から工事して貰わないといけない為、
業者に工事をお願いし、ついでに犬舎の組み立ても頼み込んだ
でっ!
頼んだ業者は、なんと、
隣の作業に来ていた時に、ドンちゃんの脱獄を目撃し身柄を確保してくれた
おっさんだった
No.179-① 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
何の因果か
作業するおっさんを見るドンちゃんの目は、
「このクソおやじ、又ろくでも無いもん作ってやがるナ」と
言っているかの様だった
犬舎は屋根付きで、これは
キャサリンがネットで調べに調べ抜いた商品を
更に
四方を格子へと変えて貰う特別注文品である
言わば、キャサリンの秘密最終兵器であったのだ
そして、キャサリンは史上最終計画をぶち上げた
この秘密最終兵器である犬舎が完成するまでの約2週間で、
ドンちゃんも、去勢手術し
今の生活を打破するために、勝負をかけようと言うのだ
去勢手術・・・ わたくしもオス。基本、玉抜きはイヤだっ
前々から、キャサリンは
「大型犬のオスは早い段階で手術しといた方がいい。大きい病気になりにくいらしいヨ。」と
言っていた。
それに
いつも、末席の地位にあるプリンスは
ドンちゃんに襲われていた
No.179-② 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
その光景を見たキャサリンに、
「まだ、身内だからええけど、
これがよその人に迷惑かけたらどうすんのョ!!」って、怒られていた
玉抜きドンちゃん....
いつも、ふてぶてしい姿のドンちゃんが、
ヒ弱な姿で、肩身の狭い思いをすることになるのでは・・・
想像すらしたくなかった
手は妬いているものの、今のドンちゃんのイメージを拭えなかった・・
No.179-③ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
しかし、キャサリンの史上最終計画完了後は
マーキングすることも無く
他のオス犬と喧嘩もしなくなる
(そりゃそーだっ!! オスでないのだから・・・)
だから、
キャサリンの前に出ることも無く、リードも緩んだままの
快適な散歩に行けると言う訳だっ
No.179-④ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
納得を一度はしたものの、
同じオスとして心に残るものがありながら、去勢手術を受けることとなった
そんな気持ちのままで、
手術当日を迎えた・・・
小さい頃から診て貰っている、動物病院で手術もして貰うのだが、
なんと、
朝一に届けると昼過ぎには迎えに行ける程の早さだそうだ
なので、
朝一に動物病院を訪問した。
先生は、ドンちゃんを見るなり
「えらい、おきなってますナ・・・ ちょっ、コ、コ 怖いナ」って呟いた
No.179-⑤ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
大丈夫か? この先生! って思ったわたくしは、
次々と"今の思い"が言葉になり出てしまった
「先生、玉は取らなアカンもんなんですか?」
「いや~っ は、はい。取っといた方が穏やかになりやすいと・・・」
「俺もオスとして、やっぱり納得できませんワ。」
「ほな、やめときますか?」
「何、言うてんのよ。先生、お願いします。」
「は~っ・・・」
「先生、ほな一個だけにしてっ!!
それでも、2個いるちゅーんやったら、わたくしのを一個渡しますからっ!!」
「い、いやっ、それじゃー意味ないですから・・・。
しかし、そんなこと言われたん初めてです。ハハハっ」
「アホかっ!!
先生、このアホは、ほっといて手術お願いします。」
ってやりとりもキャサリンにまとめられた
そして、
ドンちゃんは先生に連れて行かれた
ドンちゃんも変な空気が解ったのか、抵抗してなかなか進まない!!
手術室へ引きずられて行く時、姿が見えなくなってすぐ、
先生の
「痛いっ!! コラッ、あっ! イタっ。」て声が響いていた
No.179-⑥ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
「ドンちゃ~んっ」って、
わたくしは、熱い涙が溢れてきたっ
「ほな、宜しくお願いします。
お昼まで、一旦帰ろかっ。」って、また、キャサリンにまとめられ、
家路についた
No.179-⑦ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
ヤキモキしながら、昼を迎えた
動物病院にドンちゃんを迎えに行くと
先生に連れられドンちゃんが現れた
No.179-⑧ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
首に厚手のビニール製襟巻をし、麻酔開けでぼ~っとしているのか
焦点の合わない目をしていた
しかし、イライラしている。おそらく、怒っている間に寝たのだろう。
その証拠に先生はそこらに怪我をしていた
「1週間後、抜糸しますので来て下さい。」と、先生の言葉を貰い、
玉抜きドンちゃんを乗せ、再度、帰路についた
帰路の車中で、ドンちゃんは軽く襟巻を撃破!!
そして、
抜糸をやり遂げた(お陰で車中、血だらけ!! グロくなるので、このシーンのイラストは遠慮させて頂きました。)
愛の我が家に到着するとすぐ、
ドンちゃんは、プリンスに連れられ真新しい犬舎に入った
するとっ!!
No.179-⑨ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
ドンちゃんは、股間から血を流しながら、プリンスにさかっていた
何も変わっていない姿に、ホッとするやら、情けないやら複雑な思いだった・・・
しかし、こいつには犬語で誰かが「お前、玉、もう無いゾっ!!」言うてやらんと解らんのやろう
そんでもって、
キャサリンの史上最終計画の成果は、、
この時点では解らず。。。
現在のドンちゃんは、
まだ、誰にも玉が無いことを教えられていない様子で、
No.179-⑩ 首領・実録Ⅱ-FINAL BoB Project 2010
我が家の一等地(愛の一家全員が一望出来る場所)に設置された犬舎の中で、
更に、寝ながら愛の一家が見える様、入口の片方板を外した犬小屋を置き、
ご機嫌に過している。。。 と思う。
この、犬舎では脱走も諦めているのか、
一等地が欲しかったのか、不明のままである。
唯一解ったことは、寂しがり屋の厄介者ってことだった。。。
実録!! ~首領(ドン)去勢の事実~ おわり