親父的世界工場 Daddy's World Factory

　　　　
　　　あれは、1年前の4月。
　　　わたくしは一本の電話で呼び出された。

　　　呼び出した相手から聞かされたのは、
　　　この世に、人を不愉快にする生物が存在している事実であった。
　　　その者は、人の姿をして社会に溶け込んでいるつもりになっているそうで、
　　　社会に厄介をかけまくり、しかも許されていると思っている厄介者である。

　　　そこで、結成されたのが、秘密組織 厄介者撲滅班。
　　　彼らは、何名で組織されているかも明かされておらず、普段はそれぞれが
　　　職に付きながら極秘で任務についている。

　　　そして、
　　　彼らの追っている人を不愉快にする生物のコードネームは
　　　




　　　わたくしは、厄介者撲滅班 Eradication team Yakkaida 通称E.T.Y.から協力要請され、
　　　ヤッカイダーを誘い込みFM877の番組を持たせてもらうと言ういわゆるおとり捜査のおとり役を4月からしている。
　　　この10ケ月の間で、ヤッカイダーの左手人差し指にしている指輪に見せかけた輪っかに
　　　何かヒミツのカギがあることも分かって来ている。

　　　しかし、ヤッカイダーの振る舞いは相も変わらずにいた。
　　　
　　　また、重大なキーを握る人物が誰なのか?　明かされないまま1週間が過ぎていた。。。

　　　わたくしは、
　　　『最終作戦とは言えども、どうするのか?　重大なキーを握る人物とは何者なのか?』とむしろ、
　　　何も明かしてくれないE.T.Y.自体に疑問と不安を抱き始めていた。

　　　そんな中、また今週のFM収録日を迎えた。
　　　わたくしは、別件で気になることがあり、調査をした為、
　　　ヤッカイダーより遅くスタジオ入りした。

　　　スタジオの控え室に入ると、そこには、
　　　絶好調剥き出しのヤッカイダーが居るには居た。。。
　　　しかし、
　　　収録の準備などそっちのけで、ヤッカイダー細菌B型を放出していた・・・

　　　
No.457 [不愉怪人ヤッカイダー]① (C) BoB Project 2012

　　　その姿を眺めていると、
　　　焦りと、体が既にヤッカイダーを拒否し始めていた。。。

　　　『もう、嫌やっ!! こいつに、皆やられてしまう。何してんねんっ、E.T.Y.!!!』と
　　　わたくしは絶望感に襲われようとしていた。
　　　　
　　　と、その時、
　　　FM局の王子が現れたっ!!

　　　　　　　　　　
No.457 [不愉怪人ヤッカイダー]② (C) BoB Project 2012

　　　この登場のタイミングは、よくあるヒーローに変身する隊員?!
　　　そこまで、行かなくとも、重大なキーを握る人物?!　E.T.Ｙ.のエライさん?!　

　　　わたくしの期待は膨らみ、
　　　『一人単独ヒーローなんか?　
　　　FMにはまだスタッフがいる。そのメンバーでの戦隊モノかぁ?』と思っていた。

　　　すると、王子は
　　　『この週末、東京は「ネズミー・ランド」へ行ってきます!』と言った。

　　　やっぱりであるっ!　王子は間違いなくＥ.Ｔ.Ｙ.関係者なのだ。

　　　東京…　これも、やっぱりであった。
　　　この間まで、ワイドニュースで騒いでいた『自称占い師』

　　　実は、その手口からヤッカイダーのニオイがしている気がして
　　　わたくしは調査してきたところであった。
　　　しかも、東京のネズミー・ランドと言えば、先日までヤッカイダーのアジトに潜入していた
　　　ある女性が、野望をもって旅立ったところでもあった。

　　　『そうか、これが最終作戦の始まりか!　
　　　あの女性も仲間なのか?　東京…　やはり、「自称占い師」…
　　　何かをつかんだナ、E.T.Y.!』

　　　王子の東京決戦。
　　　王子は一体何者なのか?
　　　これで、色々と明らかになるのか?
　　　どうなるのか・・・・
　　　　
　　　　このミッションはまだまだつづくのである。。。


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　この作品はフィクションです。登場する個人・団体・施設名等は架空のものであり、あくまで創作に過ぎません。
　しかし、
　これをただの作り話と受け取るか、不愉怪人の仕業と捉えるかは貴方に委ねます。　　

制作/著作 2012 (C)BoB Project