2013年02月18日
作品567 笹本六太郎力丸伝 最 終 幕
さて、さて、
ブログ再開の一発目は、ずっとご無沙汰していました、
この話からお送りします
しかも、いきなりの最終幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
全12話にわたりお送りして参りました。
題して、
【注】久しぶりなので、「話忘れた」って方は、
「ロク」の顔⇈クリックして!!
最 終 幕
ロクの心の声をやっと聞くことが出来たわたくしは、
「何て、うといんやっ・・・
何で、もっと早よ気ィーつかんのよっ?!」と自問自答を続けていた
しかし、
そんなことをしている間にも、刻々とその時を迎えようとし
ロクは呼吸するので精一杯になって来ていた
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-① BoB Project 2013
そんな時も常に声は聞こえている・・・
『BoB 早くっ! 早くっ!』
やがて、ビックリするほどキャサリンは急速に回復し、
プリンス共々、退院できることとなった
退院手続きも早々にし、
我々、愛の一家全員でロクの元へと急いだ
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-② BoB Project 2013
それは、
キャサリンが一命を取り留めたでから僅かの日しかたっていなかった・・・
ロクの元へ到着し、
我々が目にしたロクは、つい先日から更に痩せ細り、
横になった全身を震わせながら、
只、一生懸命に息をしているだけの姿だった
その姿を見たとたん、
わたくしは涙が溢れ、
『ロクっ、遅なってゴメンよ・・・』って言葉を繰り返していた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-③ BoB Project 2013
その声に気が付いたかロクは、
何と、うつろな目のまま首を必死に持ち上げようとしだしたのだっ
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-④ BoB Project 2013
『ロクっ!! ええから寝とけってっ!!』叫ぶわたくしの声も
聞こえていないかの様にやがて起きようしてきた
ここ数カ月動こうとしなかったロクは、
どうも、
この一瞬の為に体力を温存していたに違いないと後で思った・・・
前足で殆どの体を支え、シッポを緩やかに振りながら、
ゆっくり、ゆっくり立ち上がったロクっ
その震える姿からは、
もう目も見えていないし、
耳も聞こえていないことは一目瞭然だった。
そんなロクは、
最後の力を振り絞り、ヨロヨロと前足だけで歩いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑤ BoB Project 2013
しかも、
『これを、しとかんと・・・』と心の声を発しながら、
数歩先に居る
キャサリンに抱かれているプリンスの元へ、
ゆっくり、ゆっくり進んで行った
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑥ BoB Project 2013
最後の頼りである嗅覚を必死に使い、プリンスを探すロク。
キャサリンは堪らず、
『ロクっ、プリンスやでっ!!』って泣きながら差し出し、
やっとプリンスにたどり着いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑦ BoB Project 2013
すると、ロクは
乾ききった舌でゆっくり、ゆっくりとプリンスの頬を舐めた。
まるで、
『プリンス、会えてよかった。』と語りかけている様に…
何度も何度も、それは続いた。。。
そして、
プリンスの横に居たわたくしの方を向いたロクは、
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑧ BoB Project 2013
見えていない目なのに、いつもの優しい目をしていた。
その目は
『ありがとう。』と言っているかのように見えた。。。
その日の夕刻、
ロクは16年間の犬生に幕を閉じた。。。
ロクの使命
それはおかんからの
【BoBの子供を確認してくること】やったんやろか・・・
そして、最後に
ロクはプリンスに何かを託した様にも思えた。
それは、
何かはわからんけど、
プリンスが今の愛犬ドンちゃんを選んだことで、
ドンちゃんにそれを託してたりして (そろらないか・・・)
ロク、色々と支えてくれて
こちらこそ、ありがとう
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑨ BoB Project 2013
------ お わ り ------
ブログ再開の一発目は、ずっとご無沙汰していました、
この話からお送りします
しかも、いきなりの最終幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
全12話にわたりお送りして参りました。
題して、
【注】久しぶりなので、「話忘れた」って方は、
「ロク」の顔⇈クリックして!!
最 終 幕
ロクの心の声をやっと聞くことが出来たわたくしは、
「何て、うといんやっ・・・
何で、もっと早よ気ィーつかんのよっ?!」と自問自答を続けていた
しかし、
そんなことをしている間にも、刻々とその時を迎えようとし
ロクは呼吸するので精一杯になって来ていた
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-① BoB Project 2013
そんな時も常に声は聞こえている・・・
『BoB 早くっ! 早くっ!』
やがて、ビックリするほどキャサリンは急速に回復し、
プリンス共々、退院できることとなった
退院手続きも早々にし、
我々、愛の一家全員でロクの元へと急いだ
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-② BoB Project 2013
それは、
キャサリンが一命を取り留めたでから僅かの日しかたっていなかった・・・
ロクの元へ到着し、
我々が目にしたロクは、つい先日から更に痩せ細り、
横になった全身を震わせながら、
只、一生懸命に息をしているだけの姿だった
その姿を見たとたん、
わたくしは涙が溢れ、
『ロクっ、遅なってゴメンよ・・・』って言葉を繰り返していた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-③ BoB Project 2013
その声に気が付いたかロクは、
何と、うつろな目のまま首を必死に持ち上げようとしだしたのだっ
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-④ BoB Project 2013
『ロクっ!! ええから寝とけってっ!!』叫ぶわたくしの声も
聞こえていないかの様にやがて起きようしてきた
ここ数カ月動こうとしなかったロクは、
どうも、
この一瞬の為に体力を温存していたに違いないと後で思った・・・
前足で殆どの体を支え、シッポを緩やかに振りながら、
ゆっくり、ゆっくり立ち上がったロクっ
その震える姿からは、
もう目も見えていないし、
耳も聞こえていないことは一目瞭然だった。
そんなロクは、
最後の力を振り絞り、ヨロヨロと前足だけで歩いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑤ BoB Project 2013
しかも、
『これを、しとかんと・・・』と心の声を発しながら、
数歩先に居る
キャサリンに抱かれているプリンスの元へ、
ゆっくり、ゆっくり進んで行った
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑥ BoB Project 2013
最後の頼りである嗅覚を必死に使い、プリンスを探すロク。
キャサリンは堪らず、
『ロクっ、プリンスやでっ!!』って泣きながら差し出し、
やっとプリンスにたどり着いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑦ BoB Project 2013
すると、ロクは
乾ききった舌でゆっくり、ゆっくりとプリンスの頬を舐めた。
まるで、
『プリンス、会えてよかった。』と語りかけている様に…
何度も何度も、それは続いた。。。
そして、
プリンスの横に居たわたくしの方を向いたロクは、
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑧ BoB Project 2013
見えていない目なのに、いつもの優しい目をしていた。
その目は
『ありがとう。』と言っているかのように見えた。。。
その日の夕刻、
ロクは16年間の犬生に幕を閉じた。。。
ロクの使命
それはおかんからの
【BoBの子供を確認してくること】やったんやろか・・・
そして、最後に
ロクはプリンスに何かを託した様にも思えた。
それは、
何かはわからんけど、
プリンスが今の愛犬ドンちゃんを選んだことで、
ドンちゃんにそれを託してたりして (そろらないか・・・)
ロク、色々と支えてくれて
こちらこそ、ありがとう
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑨ BoB Project 2013
------ お わ り ------
2012年04月22日
作品469 笹本六太郎力丸伝 第 十一 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 十一 幕
わたくしが遅すぎた巣立ちをしたころ、
ロクは後ろ足の調子も悪くなり、顔の黒い部分も随分と白い毛が目立って来ていた
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-① BoB Project 2012
そんな、ロクの行動や、顔から放たれている
『BoB、僕にはあんまり時間が無いョ!』と言うロクの声は、当時のわたくしには聞こえていなかった・・・
聞こえないまま、わたくしが巣立ちしたことを楽しみ、
のん気に過していた間、どんどんとロクは年齢と言う相手と戦い、
残りの時間を費やしていた
やがて、
わたくしは、キャサリンと結婚した
それは、ロクが13歳になった年の秋だった
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-② BoB Project 2012
そのころのロクは、
もう歩くこともキツく、薬を常用してゆっくりと動くって感じになっていた
それでも、
わたくしはロクの声に気が付かず、
『ロク爺、歩くんもちょっと行かんなぁ~』なんて言いながら
会えば、からかう始末でいたっ
結婚後も、キャサリンとのん気な生活を続けていた
3年後、、、
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-③ BoB Project 2012
待望のプリンスが誕生した
しかし、
出産後、キャサリンの具合が急変し心肺停止状態にまでなってしまった
慌てるばかりで何も出来ないわたくしがパニッくている真っただ中、
おとんから数回の電話が入っていた
キャサリンは病院の迅速な対応のお陰で、一命を取り止めた
おとんの電話に気が付いたのは、その翌日のことだった。。。
『何なよ、本間に空気読めやんおっさんやのう』と思いながら、
電話をかけると、
『こんな時にと思て、ずっと黙ってたんやけど、
ロクがもうアカンっのや・・・ 何時逝ってもおかしない状態や。
もう、会わんと次は会えやんと思わっ・・・』と焦った声で言うおとん
『ほいで、まだ生きてるんか?』とイラダチながら問い、
わたくしは、ひと段落しているキャサリンを見てロクの元へと駆けつけた
そこで見たロクは、、、
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-④ BoB Project 2012
ガリガリの体で横たわる姿であった
もう随分と長い間、食べることも出来ず、水すら口元に持って行った分を舐めるだけで凌いでいたロクっ
その時、初めてロクの声が聞こえた気がした。
『BoB、はやく・・・ もう時間が無いョ・・・』
------ そして次回、最終幕へ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 十一 幕
わたくしが遅すぎた巣立ちをしたころ、
ロクは後ろ足の調子も悪くなり、顔の黒い部分も随分と白い毛が目立って来ていた
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-① BoB Project 2012
そんな、ロクの行動や、顔から放たれている
『BoB、僕にはあんまり時間が無いョ!』と言うロクの声は、当時のわたくしには聞こえていなかった・・・
聞こえないまま、わたくしが巣立ちしたことを楽しみ、
のん気に過していた間、どんどんとロクは年齢と言う相手と戦い、
残りの時間を費やしていた
やがて、
わたくしは、キャサリンと結婚した
それは、ロクが13歳になった年の秋だった
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-② BoB Project 2012
そのころのロクは、
もう歩くこともキツく、薬を常用してゆっくりと動くって感じになっていた
それでも、
わたくしはロクの声に気が付かず、
『ロク爺、歩くんもちょっと行かんなぁ~』なんて言いながら
会えば、からかう始末でいたっ
結婚後も、キャサリンとのん気な生活を続けていた
3年後、、、
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-③ BoB Project 2012
待望のプリンスが誕生した
しかし、
出産後、キャサリンの具合が急変し心肺停止状態にまでなってしまった
慌てるばかりで何も出来ないわたくしがパニッくている真っただ中、
おとんから数回の電話が入っていた
キャサリンは病院の迅速な対応のお陰で、一命を取り止めた
おとんの電話に気が付いたのは、その翌日のことだった。。。
『何なよ、本間に空気読めやんおっさんやのう』と思いながら、
電話をかけると、
『こんな時にと思て、ずっと黙ってたんやけど、
ロクがもうアカンっのや・・・ 何時逝ってもおかしない状態や。
もう、会わんと次は会えやんと思わっ・・・』と焦った声で言うおとん
『ほいで、まだ生きてるんか?』とイラダチながら問い、
わたくしは、ひと段落しているキャサリンを見てロクの元へと駆けつけた
そこで見たロクは、、、
No.469 『笹本六太郎力丸伝・第十一幕』-④ BoB Project 2012
ガリガリの体で横たわる姿であった
もう随分と長い間、食べることも出来ず、水すら口元に持って行った分を舐めるだけで凌いでいたロクっ
その時、初めてロクの声が聞こえた気がした。
『BoB、はやく・・・ もう時間が無いョ・・・』
------ そして次回、最終幕へ つ づ く ------
2012年03月20日
作品455 笹本六太郎力丸伝 第 十〇 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 十〇 幕
ロクとわたくしの生活もなんやかんやで10年過ぎようとしていた。。。
冬の朝なんて言えば、
わたくしは起きてスグにロクを表敬訪問していた
まだ、ロクは簡易小屋の中で丸まって寝ている
いやっ、後ろ足の付け根に口先を入れ、
寒さをしのぐ時特有、ロクいや、犬お決まりの格好であった
しかし、ドンちゃんはいくら寒くともこの格好をしないっ なんでやろ・・・
その口先を入れている後ろ足の付け根にわたくしは手を入れ、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-① BoB Project 2012
温めていたっ
これが、メチャクチャ温く、また眠くなっていたが、
何より、
その時のロクの反応が見たくてやっていた
冷たい手を入れられたロクは、毎回、迷惑な顔をしながら、
『う~ん、う~んっ』とじいさんみたいな息づかいをしていた
これが、わたくしのツボに入っており、
毎、冬の朝の風物詩となっていた
そんなことをされていたロクも
10歳を越えた頃から、
後ろ足に異常を訴え初め、
たまに、足を引きずる仕草が増えて来ていた
医者に診て貰うと、老化が足に来ているとのことで
この頃から、薬を常用しなければならなくなった・・・
ロクが薬を飲みながらシノいでいた間には、、、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-② BoB Project 2012
我、実家にも色々と変化があった
おとんは再婚し、
わたくしはそれを待って、家を出ることにした
しかし、その頃のロクは、
更に、足の調子が悪くなって来ており
薬の量が増えていた
なので、
動きにくく、辛そうな表情の日も増えていた
そんな最中、
わたくしの巣立ちの朝
ロクにあいさつをしに行くと、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-③ BoB Project 2012
ロクは、実家裏の定位置から
何とも言えない、穏やかな顔で
『BoB、がんばれョ!!』と言ってくれていた様に見えた
遅すぎる巣立ちに、嬉しく舞い上がっていたわたくしには、
ロクの『はやく、はやくっ!!』と言うメンツセージは勿論、
この時のロクの状況など、知る由も無かった。。。
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 十〇 幕
ロクとわたくしの生活もなんやかんやで10年過ぎようとしていた。。。
冬の朝なんて言えば、
わたくしは起きてスグにロクを表敬訪問していた
まだ、ロクは簡易小屋の中で丸まって寝ている
いやっ、後ろ足の付け根に口先を入れ、
寒さをしのぐ時特有、ロクいや、犬お決まりの格好であった
しかし、ドンちゃんはいくら寒くともこの格好をしないっ なんでやろ・・・
その口先を入れている後ろ足の付け根にわたくしは手を入れ、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-① BoB Project 2012
温めていたっ
これが、メチャクチャ温く、また眠くなっていたが、
何より、
その時のロクの反応が見たくてやっていた
冷たい手を入れられたロクは、毎回、迷惑な顔をしながら、
『う~ん、う~んっ』とじいさんみたいな息づかいをしていた
これが、わたくしのツボに入っており、
毎、冬の朝の風物詩となっていた
そんなことをされていたロクも
10歳を越えた頃から、
後ろ足に異常を訴え初め、
たまに、足を引きずる仕草が増えて来ていた
医者に診て貰うと、老化が足に来ているとのことで
この頃から、薬を常用しなければならなくなった・・・
ロクが薬を飲みながらシノいでいた間には、、、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-② BoB Project 2012
我、実家にも色々と変化があった
おとんは再婚し、
わたくしはそれを待って、家を出ることにした
しかし、その頃のロクは、
更に、足の調子が悪くなって来ており
薬の量が増えていた
なので、
動きにくく、辛そうな表情の日も増えていた
そんな最中、
わたくしの巣立ちの朝
ロクにあいさつをしに行くと、
No.455 『笹本六太郎力丸伝・第十〇幕』-③ BoB Project 2012
ロクは、実家裏の定位置から
何とも言えない、穏やかな顔で
『BoB、がんばれョ!!』と言ってくれていた様に見えた
遅すぎる巣立ちに、嬉しく舞い上がっていたわたくしには、
ロクの『はやく、はやくっ!!』と言うメンツセージは勿論、
この時のロクの状況など、知る由も無かった。。。
------ つ づ く ------
2012年02月20日
作品438 笹本六太郎力丸伝 第 九 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 九 幕
おかんとの突然の別れから、わたくしとロクの新生活が始まった
おとんは居るに居たが、殆ど家にはおらず、
実姉である"デラックス"は京都に下宿したので、大半は、わたくしとロクでの生活となった。。。
あんなに、おかんの言うことだけを聴いてきたロクだったが、
もう、わたくし以外に誰もいないと思ったのか、ここからの生活では良く言うことを聴いてくれた
と言うより、
何か、こうなることを想定しロクをおかんは抜擢し、基礎訓練を仕込んでいた様な気がした。。。
さあ、
こうなるとわたくしのロクへの訓練はエスカレートして行った
まずは、
定番の"待て"
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-① BoB Project 2012
ゴハン時に、わたくしの『待てっ』の合図で待つロクっ
流石は、おかん仕込みっ ヨダレを大量に垂らすが、ずっと待っている
わたくしの「よしっ!!」の合図をひたすら待っている。
そこで、
定番の3連発っ!!
『よし、いくぞーっ』 『よし子さーんっ』 『よしって言うまで待てよ~っ』
初日は、3回とも引っかかっていたロクだったが、
2日目からは、3連発を言う度にピクっと動くだけになり、
3日目からは、ピクリともしなくなった。。。。 おもろない
これで、「待て」は完璧っ
時には、「よし」を言うのを忘れていたことがあり、1時間程待ったままのことがあった
しかし、
ロクはのみ込みが良かった
「お手」は、
普通、「お手っ」と言いながら右前足を出すように、こちらも手を差し出す。
そこで、
わたくしはまず、
「お手っ」と言いながら、手を差し出さずに「エアーお手」をする様にした。
ロクは、意図も簡単に、「お手」と言うだけで右前足を上げる様になった
次に、
少し離れたところからでも、右前足を上げる様にし
その上で「お手」と言う指示する言葉を変えた
『~欲しい子は手を上げろよ!!』
すると、
これもスグに成功し、
その後は、『~』の部分に何を入れても反応する様になり
『いらんっ!!』と思った時には前足を上げない自己主張もしたのだっ
「こいつは、スゴイっ!! てってっ天才やっ」と
わたくしはめちゃくちゃ喜んでいた
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-② BoB Project 2012
そんなロクは、
腹がいっぱいでいらないと思っても、大好物であれば
得意の右前足を上げ、「欲しい」と申告し、とりあえず受取る。
そして、後で喰う為にそれを裏庭に埋める行動をした
しかも、埋めるのはわたくしが見ていないことを確認してからだった。。。
そして、埋め終わると
口の周りと前足に土を着けて、定位置に戻ってくる
バレていないと思っているかの様で、必ずスマして座っていたが、
口の周りに着いた土がやけに間抜けていた
わたくしは、根っからのイケズなのだっ
こんな時には、
スコップを持って
『さぁ、ウマいもんは、何処へ埋めたンや~っ?』と
言いながら、裏庭に出て行く
すると、
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-③ BoB Project 2012
慌てて、走って行き、『ウ~っ』と言いながら「ココですよ」と埋めた場所を案内してくれた
『アホっ!! 喰わんのやったら、今欲しがるなっ』と言っては
掘り起こしていたわたくしであった。
そんなこんな生活が、約10年続いたのだ。。。
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 九 幕
おかんとの突然の別れから、わたくしとロクの新生活が始まった
おとんは居るに居たが、殆ど家にはおらず、
実姉である"デラックス"は京都に下宿したので、大半は、わたくしとロクでの生活となった。。。
あんなに、おかんの言うことだけを聴いてきたロクだったが、
もう、わたくし以外に誰もいないと思ったのか、ここからの生活では良く言うことを聴いてくれた
と言うより、
何か、こうなることを想定しロクをおかんは抜擢し、基礎訓練を仕込んでいた様な気がした。。。
さあ、
こうなるとわたくしのロクへの訓練はエスカレートして行った
まずは、
定番の"待て"
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-① BoB Project 2012
ゴハン時に、わたくしの『待てっ』の合図で待つロクっ
流石は、おかん仕込みっ ヨダレを大量に垂らすが、ずっと待っている
わたくしの「よしっ!!」の合図をひたすら待っている。
そこで、
定番の3連発っ!!
『よし、いくぞーっ』 『よし子さーんっ』 『よしって言うまで待てよ~っ』
初日は、3回とも引っかかっていたロクだったが、
2日目からは、3連発を言う度にピクっと動くだけになり、
3日目からは、ピクリともしなくなった。。。。 おもろない
これで、「待て」は完璧っ
時には、「よし」を言うのを忘れていたことがあり、1時間程待ったままのことがあった
しかし、
ロクはのみ込みが良かった
「お手」は、
普通、「お手っ」と言いながら右前足を出すように、こちらも手を差し出す。
そこで、
わたくしはまず、
「お手っ」と言いながら、手を差し出さずに「エアーお手」をする様にした。
ロクは、意図も簡単に、「お手」と言うだけで右前足を上げる様になった
次に、
少し離れたところからでも、右前足を上げる様にし
その上で「お手」と言う指示する言葉を変えた
『~欲しい子は手を上げろよ!!』
すると、
これもスグに成功し、
その後は、『~』の部分に何を入れても反応する様になり
『いらんっ!!』と思った時には前足を上げない自己主張もしたのだっ
「こいつは、スゴイっ!! てってっ天才やっ」と
わたくしはめちゃくちゃ喜んでいた
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-② BoB Project 2012
そんなロクは、
腹がいっぱいでいらないと思っても、大好物であれば
得意の右前足を上げ、「欲しい」と申告し、とりあえず受取る。
そして、後で喰う為にそれを裏庭に埋める行動をした
しかも、埋めるのはわたくしが見ていないことを確認してからだった。。。
そして、埋め終わると
口の周りと前足に土を着けて、定位置に戻ってくる
バレていないと思っているかの様で、必ずスマして座っていたが、
口の周りに着いた土がやけに間抜けていた
わたくしは、根っからのイケズなのだっ
こんな時には、
スコップを持って
『さぁ、ウマいもんは、何処へ埋めたンや~っ?』と
言いながら、裏庭に出て行く
すると、
No.438 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-③ BoB Project 2012
慌てて、走って行き、『ウ~っ』と言いながら「ココですよ」と埋めた場所を案内してくれた
『アホっ!! 喰わんのやったら、今欲しがるなっ』と言っては
掘り起こしていたわたくしであった。
そんなこんな生活が、約10年続いたのだ。。。
------ つ づ く ------
2012年01月16日
作品420 笹本六太郎力丸伝 第 八 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 八 幕
そして、
30年前の年末もおしせまった寒い夜、おかんは突然あの世とやらへ旅立った。。。
当時のことなので、よくは分からないが
旅立った翌日にお通夜、翌々日に葬式を実家ですることとなった。
何処から来たのか分からない程に、葬儀屋がやってきて
式を行うセッティング等を初めていた
葬儀屋が言うには、ロクが放されている家の裏側から参って貰う寸法だった
なので、
ロクを何処かへ移動させて欲しいと葬儀屋に言われた。
何処かと言われても、
わたくしは考えてはみたが、二階のベランダしか思い浮かばず、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-① BoB Project 2012
ロクは、簡易小屋と毛布、そして飲み水という避難道具と一緒にベランダに監禁されたのだった
監禁した際わたくしは、
『ここで、かしこにしておよ うるさに吠えたらアカンぞっ』と
念を押しておいたのをよく覚えている。
そうして、
無事に葬式まで終わり、葬儀屋が後片付けを始めた頃、、、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-② BoB Project 2012
二階のベランダからわたくしに向かって、必死に叫ぶロクがいたっ
わたくしを始め、家族全員がロクのことを忘れていたのだった
いやっ、ロクは忘れる程、
全く鳴きもせず賢く2日間を過してくれたからだ
そして、
急いでベランダに行ったわたくしは、
更に驚いたのだった
『ごはん、やるのも忘れている・・・』
それなのに、ロクは
ベランダに用も足してもいなかったのだ
『ゴメンよ、ロクっ、ゴメン・・・』と言いながら
とりあえずは、用足しに連れていくと、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-③ BoB Project 2012
ロクは情けない顔をしながら、30分間程、大も小もしまくっていた
この時点で、
おかんが居なくなった現実を受け入れていたロク。
そんなロクの姿を見ていると、
まだ、受け入れられていなかったわたくしは涙が出て来て止まらなかった。。。
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 八 幕
そして、
30年前の年末もおしせまった寒い夜、おかんは突然あの世とやらへ旅立った。。。
当時のことなので、よくは分からないが
旅立った翌日にお通夜、翌々日に葬式を実家ですることとなった。
何処から来たのか分からない程に、葬儀屋がやってきて
式を行うセッティング等を初めていた
葬儀屋が言うには、ロクが放されている家の裏側から参って貰う寸法だった
なので、
ロクを何処かへ移動させて欲しいと葬儀屋に言われた。
何処かと言われても、
わたくしは考えてはみたが、二階のベランダしか思い浮かばず、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-① BoB Project 2012
ロクは、簡易小屋と毛布、そして飲み水という避難道具と一緒にベランダに監禁されたのだった
監禁した際わたくしは、
『ここで、かしこにしておよ うるさに吠えたらアカンぞっ』と
念を押しておいたのをよく覚えている。
そうして、
無事に葬式まで終わり、葬儀屋が後片付けを始めた頃、、、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-② BoB Project 2012
二階のベランダからわたくしに向かって、必死に叫ぶロクがいたっ
わたくしを始め、家族全員がロクのことを忘れていたのだった
いやっ、ロクは忘れる程、
全く鳴きもせず賢く2日間を過してくれたからだ
そして、
急いでベランダに行ったわたくしは、
更に驚いたのだった
『ごはん、やるのも忘れている・・・』
それなのに、ロクは
ベランダに用も足してもいなかったのだ
『ゴメンよ、ロクっ、ゴメン・・・』と言いながら
とりあえずは、用足しに連れていくと、
No.420 『笹本六太郎力丸伝・第八幕』-③ BoB Project 2012
ロクは情けない顔をしながら、30分間程、大も小もしまくっていた
この時点で、
おかんが居なくなった現実を受け入れていたロク。
そんなロクの姿を見ていると、
まだ、受け入れられていなかったわたくしは涙が出て来て止まらなかった。。。
------ つ づ く ------
2011年12月14日
作品399 笹本六太郎力丸伝 第 七 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 七 幕
それは、30年前の12月のこと、、、
たまに、体調を壊していたおかんは、
夜もふけた頃、病院に行くほど調子悪くなった
病院へおとんに連れらて家を出た後、わたくしはロクのところへ行った。
たまに、あったことなので慣れているはずだったが、なぜかこの時は胸騒ぎがしたので、
ロクの顔を見に寄ったのだ。
しかし、
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-① BoB Project 2011
ロクの顔を見て、不安は更に大きくなった
ロクはそれまでに見たことのない、悲しそうな顔をして、シッポも振らず座り込んでいた・・・
その姿は、まるで何かを告げられていて知っているかの様だった
しかも、ロクをシャンプーするのはわたくしの担当だったにもかかわらず、
おかんにシャンプーされた様子で、触るとサラサラになっていた
後にも、先にも、おかんがロクをシャンプーしたのはこの時だけだ
そして、
明け方になって、わたくしはいつの間にか寝てしまっていた。
目をさますと、おかんは帰ってきていた。
寝室をのぞくとイビキをかいて寝ていたので、わたくしは一先ずホッとした。
その足で、アルバイトに行く用意をしていると、
裏庭から家の中をのぞくロクの姿が目に飛び込んできた
その物悲しい顔は、
『行くなヨ。行くなヨ。』と語りかけている様に見えた。。。
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-② BoB Project 2011
しかし、
わたくしは、イビキをかいて寝ているおかんを見て安心していたので、
ロクのそんな姿には構わずアルバイトに出かけた。
そして、
夕刻すぎたころアルバイト先の電話がなった。
アルバイト担当の社員さんが、わたくしに電話だと呼びに来てくれ、
電話口に出た
電話はおとんからだった・・・
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-③ BoB Project 2011
おかんが救急車で病院に運ばれ、危篤状態との連絡だった
わたくしは、慌てて病院に向かった
何処を、どう言う風に通ったのか、まったく覚えていない状態で
病院に行った
病院に着いて、見たおかんの姿は既におかんではなかった。。。
その日の夜、
おかんは逝った。
次の日の朝、
無言でおかんは帰宅したが、
後で聞いた話では、
おかんが逝ったその夜、
ロクはずっと空を見上げていたらしい・・・
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-④ BoB Project 2011
わたくしは、そのことを聞いて
おかんからロクは逝くことを告げられていて、後を託された様に思えてしようがない。。。
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 七 幕
それは、30年前の12月のこと、、、
たまに、体調を壊していたおかんは、
夜もふけた頃、病院に行くほど調子悪くなった
病院へおとんに連れらて家を出た後、わたくしはロクのところへ行った。
たまに、あったことなので慣れているはずだったが、なぜかこの時は胸騒ぎがしたので、
ロクの顔を見に寄ったのだ。
しかし、
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-① BoB Project 2011
ロクの顔を見て、不安は更に大きくなった
ロクはそれまでに見たことのない、悲しそうな顔をして、シッポも振らず座り込んでいた・・・
その姿は、まるで何かを告げられていて知っているかの様だった
しかも、ロクをシャンプーするのはわたくしの担当だったにもかかわらず、
おかんにシャンプーされた様子で、触るとサラサラになっていた
後にも、先にも、おかんがロクをシャンプーしたのはこの時だけだ
そして、
明け方になって、わたくしはいつの間にか寝てしまっていた。
目をさますと、おかんは帰ってきていた。
寝室をのぞくとイビキをかいて寝ていたので、わたくしは一先ずホッとした。
その足で、アルバイトに行く用意をしていると、
裏庭から家の中をのぞくロクの姿が目に飛び込んできた
その物悲しい顔は、
『行くなヨ。行くなヨ。』と語りかけている様に見えた。。。
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-② BoB Project 2011
しかし、
わたくしは、イビキをかいて寝ているおかんを見て安心していたので、
ロクのそんな姿には構わずアルバイトに出かけた。
そして、
夕刻すぎたころアルバイト先の電話がなった。
アルバイト担当の社員さんが、わたくしに電話だと呼びに来てくれ、
電話口に出た
電話はおとんからだった・・・
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-③ BoB Project 2011
おかんが救急車で病院に運ばれ、危篤状態との連絡だった
わたくしは、慌てて病院に向かった
何処を、どう言う風に通ったのか、まったく覚えていない状態で
病院に行った
病院に着いて、見たおかんの姿は既におかんではなかった。。。
その日の夜、
おかんは逝った。
次の日の朝、
無言でおかんは帰宅したが、
後で聞いた話では、
おかんが逝ったその夜、
ロクはずっと空を見上げていたらしい・・・
No.399 『笹本六太郎力丸伝・第七幕』-④ BoB Project 2011
わたくしは、そのことを聞いて
おかんからロクは逝くことを告げられていて、後を託された様に思えてしようがない。。。
------ つ づ く ------
2011年11月20日
作品389 笹本六太郎力丸伝 第 六 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 六 幕
やっと、ロクを発見したわたくしであったが、
そこにいたのは、何とも言えない生温かい臭いを醸しだしながら
全身びしょ濡れになりブルブル震えているロクだった
「まさか、内臓が出てきて動けやんのちゃうやろナ
ほいで、こんな臭い出てるちゃうんか・・・」なんてことを考えながら、
ロクに触った。。。
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-① BoB Project 2011
しかし、
ロクは震えて体も硬直し動けないでいるっ
しかも、こんな隙間に入り込んでいては、状況が余計に分かりづらいし、
わたくしの目からは涙が溢れ出て来て視界も悪くなる一方であった
「とりあえず、この隙間から出さねばっ!!」と思い
見えにくい視界で、硬直しているロクを引きづり出そうとしていた。
その時、
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-② BoB Project 2011
わたくしの手を必死で振り払い、
猛ダッシュでロクは逃げて行ったのだっ
「何やっ!! 自分で走れんのかいっ」と一瞬ムッとはしたがホッともし、
入り込んでいた隙間をのぞき込むと、
そこには、全ての汚物が残されていた
恐怖の余りに、穴ちゅー穴から出るものすべて出てしまったのだろう
「ってことは、あいつ自分の汚物でビショビショになったんか・・・」と
ロクを引きづり出そうとしてた時についた袖口の匂いを嗅いで
間違いないと確信した。。。
そして
「そやっ!! ロクっ」と思い
わたくしは、乗り捨てていた通学用自転車で
ロクを追いかけた。
結局追いついたのは、家だった。。。
必死にロクは家に帰ったのだっ
家に着くとおかんがとりあえずロクの応急処置をしてくれ、
その間に
『あんた、臭いで 着替えておいでっ。』と言われたので
わたくしは着替えた
着替えて、ロクのところへ行くと、
全身を拭いてもらい、タオルケットに横になるロクが居た
おかんは、
「骨は異常無い。
あとは病院の先生に診て貰わんことには分からんワ。
朝になったら、病院連れて行って ほな、寝るヮ」と
言い残し寝間へと去っていった
その後、
わたくしはロクの右後ろ脚をみてビックリした
足の一部の皮がめくれ、骨が見えていたのだっ
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-③ BoB Project 2011
「これは、イカンっ!!」と思い、当時何でもかんでもに
大活躍であった、マキロンを拭きつけたりしていた。
何かしてやんと、眠れなかった・・・
すると、
おかんがやって来て
「BoB、あんたが起きてロクのそばにおってもしゃーないでっ!!
しかも、ロクはそっとしておいて欲しいんちゃうか?!
心配せんでも、
ロクはまだまだ逝く子とちゃうでっ」
と言ったのだっ
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-④ BoB Project 2011
その声を
ロクもしんどいながらも
顔を起してしかと聞いていた
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-⑤ BoB Project 2011
その後、
三日ほどはぐったりはしていたが、傷口も思ったより早く乾き
ロクは完治した
しかし、
あの時、発したおかんの言葉に
「このころからやっぱり、ロクはおかんの使いやったんやなぁ」と
今になって思った。
この後、
更に思い知らされることになっていくのだ・・・
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 六 幕
やっと、ロクを発見したわたくしであったが、
そこにいたのは、何とも言えない生温かい臭いを醸しだしながら
全身びしょ濡れになりブルブル震えているロクだった
「まさか、内臓が出てきて動けやんのちゃうやろナ
ほいで、こんな臭い出てるちゃうんか・・・」なんてことを考えながら、
ロクに触った。。。
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-① BoB Project 2011
しかし、
ロクは震えて体も硬直し動けないでいるっ
しかも、こんな隙間に入り込んでいては、状況が余計に分かりづらいし、
わたくしの目からは涙が溢れ出て来て視界も悪くなる一方であった
「とりあえず、この隙間から出さねばっ!!」と思い
見えにくい視界で、硬直しているロクを引きづり出そうとしていた。
その時、
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-② BoB Project 2011
わたくしの手を必死で振り払い、
猛ダッシュでロクは逃げて行ったのだっ
「何やっ!! 自分で走れんのかいっ」と一瞬ムッとはしたがホッともし、
入り込んでいた隙間をのぞき込むと、
そこには、全ての汚物が残されていた
恐怖の余りに、穴ちゅー穴から出るものすべて出てしまったのだろう
「ってことは、あいつ自分の汚物でビショビショになったんか・・・」と
ロクを引きづり出そうとしてた時についた袖口の匂いを嗅いで
間違いないと確信した。。。
そして
「そやっ!! ロクっ」と思い
わたくしは、乗り捨てていた通学用自転車で
ロクを追いかけた。
結局追いついたのは、家だった。。。
必死にロクは家に帰ったのだっ
家に着くとおかんがとりあえずロクの応急処置をしてくれ、
その間に
『あんた、臭いで 着替えておいでっ。』と言われたので
わたくしは着替えた
着替えて、ロクのところへ行くと、
全身を拭いてもらい、タオルケットに横になるロクが居た
おかんは、
「骨は異常無い。
あとは病院の先生に診て貰わんことには分からんワ。
朝になったら、病院連れて行って ほな、寝るヮ」と
言い残し寝間へと去っていった
その後、
わたくしはロクの右後ろ脚をみてビックリした
足の一部の皮がめくれ、骨が見えていたのだっ
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-③ BoB Project 2011
「これは、イカンっ!!」と思い、当時何でもかんでもに
大活躍であった、マキロンを拭きつけたりしていた。
何かしてやんと、眠れなかった・・・
すると、
おかんがやって来て
「BoB、あんたが起きてロクのそばにおってもしゃーないでっ!!
しかも、ロクはそっとしておいて欲しいんちゃうか?!
心配せんでも、
ロクはまだまだ逝く子とちゃうでっ」
と言ったのだっ
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-④ BoB Project 2011
その声を
ロクもしんどいながらも
顔を起してしかと聞いていた
No.389 『笹本六太郎力丸伝・第六幕』-⑤ BoB Project 2011
その後、
三日ほどはぐったりはしていたが、傷口も思ったより早く乾き
ロクは完治した
しかし、
あの時、発したおかんの言葉に
「このころからやっぱり、ロクはおかんの使いやったんやなぁ」と
今になって思った。
この後、
更に思い知らされることになっていくのだ・・・
------ つ づ く ------
2011年10月31日
作品380 笹本六太郎力丸伝 第 五 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 五 幕
愛犬ロクを眼の前で跳ねられ、気が動転していたわたくしは、
我に返り、事故現場に慌てて戻ろうとしていた
事故現場に戻るまでも、ロクの姿を探していたが、何せ黒いロクっ
夜も11時をまわると、当時の路地には明りも少なく分かりづらかった
必死で車を追いかけていたのか、事故現場に戻るには結構かかった・・・
途中、頭の中では色んな悪い想像ばかりしていた
『目の前で、ロクっ・・・ 守ってやれずに逆に守ってもろたんやなっ・・・』
なんて思いながら、
何とか、事故現場にたどり着いたが、、、
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-① BoB Project 2011
そこにあるのは、わたくしの乗り捨てた自転車の姿のみ
ロクの姿は見当たらなかった
何か事故現場付近では生温かく、
それが
またまた、
わたくしを不安にさせたのだっ
『夜でよう見えんけど、この生温かさはロクの血やないやろナ?!』と思い、
わたくしは、地面を這いつくばり血痕を探した
すると、
わたくしの人の3倍効くと言われている嗅覚が、
生温かさの中に、獣臭と汚物の混ざった臭いを
キャッチしたのだっ
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-② BoB Project 2011
『んっ・・・これは?!』と
その臭いを辿って行くと
ダンダンとある家と壁の隙間にたどり着こうとしていた
『頼むっ! ロク、生きててくれっ!!』と念じながらその隙間を覘くと、
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-③ BoB Project 2011
そこには、
全身何故かびしょ濡れになり、ブルブル震えるロクが居たっ
『よかったーっ 生きていてくれたっ』と思ったのもつかの間、
ロクは一行に動こうしなかった。
そして、
この臭い、このびしょ濡れの姿、、、
『ロク~っ!! しっかりせーっ!』
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 五 幕
愛犬ロクを眼の前で跳ねられ、気が動転していたわたくしは、
我に返り、事故現場に慌てて戻ろうとしていた
事故現場に戻るまでも、ロクの姿を探していたが、何せ黒いロクっ
夜も11時をまわると、当時の路地には明りも少なく分かりづらかった
必死で車を追いかけていたのか、事故現場に戻るには結構かかった・・・
途中、頭の中では色んな悪い想像ばかりしていた
『目の前で、ロクっ・・・ 守ってやれずに逆に守ってもろたんやなっ・・・』
なんて思いながら、
何とか、事故現場にたどり着いたが、、、
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-① BoB Project 2011
そこにあるのは、わたくしの乗り捨てた自転車の姿のみ
ロクの姿は見当たらなかった
何か事故現場付近では生温かく、
それが
またまた、
わたくしを不安にさせたのだっ
『夜でよう見えんけど、この生温かさはロクの血やないやろナ?!』と思い、
わたくしは、地面を這いつくばり血痕を探した
すると、
わたくしの人の3倍効くと言われている嗅覚が、
生温かさの中に、獣臭と汚物の混ざった臭いを
キャッチしたのだっ
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-② BoB Project 2011
『んっ・・・これは?!』と
その臭いを辿って行くと
ダンダンとある家と壁の隙間にたどり着こうとしていた
『頼むっ! ロク、生きててくれっ!!』と念じながらその隙間を覘くと、
No.380 『笹本六太郎力丸伝・第五幕』-③ BoB Project 2011
そこには、
全身何故かびしょ濡れになり、ブルブル震えるロクが居たっ
『よかったーっ 生きていてくれたっ』と思ったのもつかの間、
ロクは一行に動こうしなかった。
そして、
この臭い、このびしょ濡れの姿、、、
『ロク~っ!! しっかりせーっ!』
------ つ づ く ------
2011年10月13日
作品370 笹本六太郎力丸伝 第 四 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 四 幕
ロクが家族になって、初めての秋が来たころの出来ごと。。。
狭いながらも、裏庭?に放されていた関係から、散歩は滅多に行かなかったロク
なので、
散歩に出れば、いつも全速力でハリきっていた
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-① BoB Project 2011
散歩担当のわたくしは、
全速力のロクには付いていけず、通学用の自転車にまたがり、
リードも付けずに近所の公園まで行くワンパターンであった
一応、リードも付けていないので午後11時以降で行く様にしていた
しかし、
ロクはドンちゃんと大きく違い、ハリきるのはハリきるが、
ちゃんと、わたくしの右側に一定の距離を保ちながら走ることの出来る奴であった
そして、
この日も、午後11時すぎから、近所の公園に向け快調に進んでいた
すると、
走っていた路地に車が猛スピードでやってくるではないかっ
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-② BoB Project 2011
それも、横すべりしながら後ろから迫って来たっ
『ロクっ、こっちに寄れっ!!』とロクに言ったが間に合わず、
その車は猛スピードのまま、ロクを跳ね飛ばした
『キャイ~ンンン・・』と叫び声を上げ、
ロクは夜空を舞っていた
この後の暫く記憶が無いわたくしは、
気が付くと、
乗っていた自転車をその場に乗り捨て、
逃げて行く車を
『またんかいっ 引き逃げ犯っ』と
叫びながら、
走って追いかけていたのだっ
猛スピードで走り去る車に追いつくはずもなく、
わたくしはその場にへばり込んだっ
そして、
『ロクっ、ロクや』と我に返り
事故現場に慌てて戻った
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-③ BoB Project 2011
しかし、
ロクの姿は見えず、
わたくしは必死に探した
『生きててくれっ! 生きててくれっ!』と心の中で叫び続けながら・・・
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 四 幕
ロクが家族になって、初めての秋が来たころの出来ごと。。。
狭いながらも、裏庭?に放されていた関係から、散歩は滅多に行かなかったロク
なので、
散歩に出れば、いつも全速力でハリきっていた
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-① BoB Project 2011
散歩担当のわたくしは、
全速力のロクには付いていけず、通学用の自転車にまたがり、
リードも付けずに近所の公園まで行くワンパターンであった
一応、リードも付けていないので午後11時以降で行く様にしていた
しかし、
ロクはドンちゃんと大きく違い、ハリきるのはハリきるが、
ちゃんと、わたくしの右側に一定の距離を保ちながら走ることの出来る奴であった
そして、
この日も、午後11時すぎから、近所の公園に向け快調に進んでいた
すると、
走っていた路地に車が猛スピードでやってくるではないかっ
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-② BoB Project 2011
それも、横すべりしながら後ろから迫って来たっ
『ロクっ、こっちに寄れっ!!』とロクに言ったが間に合わず、
その車は猛スピードのまま、ロクを跳ね飛ばした
『キャイ~ンンン・・』と叫び声を上げ、
ロクは夜空を舞っていた
この後の暫く記憶が無いわたくしは、
気が付くと、
乗っていた自転車をその場に乗り捨て、
逃げて行く車を
『またんかいっ 引き逃げ犯っ』と
叫びながら、
走って追いかけていたのだっ
猛スピードで走り去る車に追いつくはずもなく、
わたくしはその場にへばり込んだっ
そして、
『ロクっ、ロクや』と我に返り
事故現場に慌てて戻った
No.370 『笹本六太郎力丸伝・第四幕』-③ BoB Project 2011
しかし、
ロクの姿は見えず、
わたくしは必死に探した
『生きててくれっ! 生きててくれっ!』と心の中で叫び続けながら・・・
------ つ づ く ------
2011年09月25日
作品359 笹本六太郎力丸伝 第 三 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 三 幕
一通りの基本芸をおかんに叩きこまれたロクは、
このころ、
おとんとの領域争いを繰り広げていた
当時、実家は新築して3年目!
おとんは夢であった?裏に小さな庭スペースを、庭師に造ってもらっており、
そのスペースは、石で囲み、その中は苔を敷き詰めていた
裏に放されていたロク
やんちゃ盛りに入ったロクにとって、この苔でゴロゴロするのは
たまらなく魅力的だったのだろう。
よく、苔の上でゴロゴロところがっては、おとんに怒られていた
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-① BoB Project 2011
既に、何ヶ所かは苔がめくられハゲて来ていた
そこで、
見かねたおとんは、
日曜日にホーム・センターで高さ30㎝程のフェンスを買ってきて、
庭スペースをフェンスで囲んだ
それを見たおかんは、
『おとうさんは、ロクをなめ切ってるでっ
そんなん、直に突破されるワ』と言って、楽しそうに様子を眺めていた
その時は、解らなかったが、
今になって、おかんがおとんに仕掛けた試練だった様な気がしてならないのだ
案の定、
そのフェンスはおとんが設置して間もなく
ロクは飛び越え突破した
その様子を目のあたりで見たおとんは、
心がへし折れ、戦意を喪失していた
翌週の日曜日
おとんはリベンジを試みた
朝のホームセンター開店と同時に、材料を買ってきたらしく、
わたくしが起きた頃には、
裏で何かを、おぼつかない手つきで造っていた
そして、
夕刻を迎えようとしていた頃、
ついにそれは完成したらしく設置されていた
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-② BoB Project 2011
なんと、庭スペースが見えない高さの手製フェンスだった
『こんなん造ってどうすんのっ?! 肝心の庭、見えへんやんっ。アホちゃうか』と
出先から戻ったわたくしが言うと、
『ロク見てみぃ。何や考えてるョ』と
庭先に居たロクを指差しておかんが言った。
そう、
何も考えず本能のまま行動するドンちゃんに対し、
ロクは何事をするにもよく考えていた
手製フェンスを暫く眺めていたロクは、
やがて行動に出たっ
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-③ BoB Project 2011
一番隅の掘りやすい所を見つけ、そこを少し掘り込み、
手製フェンスをあっさり突破っ
実に行動時間、数分の出来ごとであった
半日かけた、おとんは完全にKOされ、
『おとうさんは、ロクに遊ばれてるワ。1枚も2枚もロクの方が上やョ』と
おかんによる、「一週間戦争」の終結宣言がなされた
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 三 幕
一通りの基本芸をおかんに叩きこまれたロクは、
このころ、
おとんとの領域争いを繰り広げていた
当時、実家は新築して3年目!
おとんは夢であった?裏に小さな庭スペースを、庭師に造ってもらっており、
そのスペースは、石で囲み、その中は苔を敷き詰めていた
裏に放されていたロク
やんちゃ盛りに入ったロクにとって、この苔でゴロゴロするのは
たまらなく魅力的だったのだろう。
よく、苔の上でゴロゴロところがっては、おとんに怒られていた
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-① BoB Project 2011
既に、何ヶ所かは苔がめくられハゲて来ていた
そこで、
見かねたおとんは、
日曜日にホーム・センターで高さ30㎝程のフェンスを買ってきて、
庭スペースをフェンスで囲んだ
それを見たおかんは、
『おとうさんは、ロクをなめ切ってるでっ
そんなん、直に突破されるワ』と言って、楽しそうに様子を眺めていた
その時は、解らなかったが、
今になって、おかんがおとんに仕掛けた試練だった様な気がしてならないのだ
案の定、
そのフェンスはおとんが設置して間もなく
ロクは飛び越え突破した
その様子を目のあたりで見たおとんは、
心がへし折れ、戦意を喪失していた
翌週の日曜日
おとんはリベンジを試みた
朝のホームセンター開店と同時に、材料を買ってきたらしく、
わたくしが起きた頃には、
裏で何かを、おぼつかない手つきで造っていた
そして、
夕刻を迎えようとしていた頃、
ついにそれは完成したらしく設置されていた
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-② BoB Project 2011
なんと、庭スペースが見えない高さの手製フェンスだった
『こんなん造ってどうすんのっ?! 肝心の庭、見えへんやんっ。アホちゃうか』と
出先から戻ったわたくしが言うと、
『ロク見てみぃ。何や考えてるョ』と
庭先に居たロクを指差しておかんが言った。
そう、
何も考えず本能のまま行動するドンちゃんに対し、
ロクは何事をするにもよく考えていた
手製フェンスを暫く眺めていたロクは、
やがて行動に出たっ
No.359 『笹本六太郎力丸伝・第三幕』-③ BoB Project 2011
一番隅の掘りやすい所を見つけ、そこを少し掘り込み、
手製フェンスをあっさり突破っ
実に行動時間、数分の出来ごとであった
半日かけた、おとんは完全にKOされ、
『おとうさんは、ロクに遊ばれてるワ。1枚も2枚もロクの方が上やョ』と
おかんによる、「一週間戦争」の終結宣言がなされた
------ つ づ く ------
2011年09月09日
作品347 笹本六太郎力丸伝 第 二 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 二 幕
突然のおかんによる愛犬禁止令解除宣言により、ファミリーの一員となった黒い犬
代々の愛犬が犬生を全う出来ていないことから、"コロ"とは違う名前をつけ様と
わたくしは、色々と考えていた
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-① BoB Project 2011
黒いから『クロ』・・・ ありきたりやし、そのままかいっ なんて考えていると
おかんは突然
「『ロク』がええやんかっ」とテレビを見ながら叫んだ
「何を急に割って入ってくるんな、このおばんはっ!!」と思いながら、
おかんに目をやると、
以前からずっとファン(私が一番早くから目を付けていた。とよく言っていた。。。)を
していた根津甚八主演のドラマを観ていた
そのドラマには、根津甚八の弟役に桑名正博も出演していた
桑名正博と言えば、これまた、『この人の歌はエエわ』とよく言っていたのだ。
おかんにとっては、たまらんキャスティングだったのだろう、
毎週必ずこの時間を楽しみにしていた。。。
そして、
ようよう、ドラマを観てみると、
桑名正博は皆から『ロクちゃん』と呼ばれているではないかっ
『これでかえ?』とわたくしがおかんに聞くと、
『桑名さんはエエとこのボンボンやでっ
「マサヒロ」やとちょっとそのままやから、
役名の「ロク」がエエやん。かわいいやんかっ』と言った
『何でやねん エエとこのボン関係無いやろっ
それに、「クロ」ってのをひっくり返しただけやんかっ』と言うと、
『ほな、役名「笹本六太郎」そのままにしなっ。』と一切譲る気が無い返事が返ってきた
どうやら、はなから、おかんは決めていた様子であった
でっ、
そのままでは幾らなんでもと思い、わたくしが『力丸』と付け加えたのだ
こうして、我、実家初の黒い犬は
『初代・笹本六太郎力丸』と命名された
この笹本六太郎力丸ことロクは、幼少期の間に、基本芸をおかんから仕込まれた。
なのでか、
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-② BoB Project 2011
わたくしの言うことには反応してくれず、愛想だけを振りまいていた
その反応しないロクを見ては、おかんはどや顔で喜んでいた
そして、
わたくしの言うことを聞いてくれる頃には
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-③ BoB Project 2011
ロクは中学生程の年齢と大きさになっていた
そう、
ロクとおかんの不思議な出来ごとも、このころからだった・・・
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 二 幕
突然のおかんによる愛犬禁止令解除宣言により、ファミリーの一員となった黒い犬
代々の愛犬が犬生を全う出来ていないことから、"コロ"とは違う名前をつけ様と
わたくしは、色々と考えていた
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-① BoB Project 2011
黒いから『クロ』・・・ ありきたりやし、そのままかいっ なんて考えていると
おかんは突然
「『ロク』がええやんかっ」とテレビを見ながら叫んだ
「何を急に割って入ってくるんな、このおばんはっ!!」と思いながら、
おかんに目をやると、
以前からずっとファン(私が一番早くから目を付けていた。とよく言っていた。。。)を
していた根津甚八主演のドラマを観ていた
そのドラマには、根津甚八の弟役に桑名正博も出演していた
桑名正博と言えば、これまた、『この人の歌はエエわ』とよく言っていたのだ。
おかんにとっては、たまらんキャスティングだったのだろう、
毎週必ずこの時間を楽しみにしていた。。。
そして、
ようよう、ドラマを観てみると、
桑名正博は皆から『ロクちゃん』と呼ばれているではないかっ
『これでかえ?』とわたくしがおかんに聞くと、
『桑名さんはエエとこのボンボンやでっ
「マサヒロ」やとちょっとそのままやから、
役名の「ロク」がエエやん。かわいいやんかっ』と言った
『何でやねん エエとこのボン関係無いやろっ
それに、「クロ」ってのをひっくり返しただけやんかっ』と言うと、
『ほな、役名「笹本六太郎」そのままにしなっ。』と一切譲る気が無い返事が返ってきた
どうやら、はなから、おかんは決めていた様子であった
でっ、
そのままでは幾らなんでもと思い、わたくしが『力丸』と付け加えたのだ
こうして、我、実家初の黒い犬は
『初代・笹本六太郎力丸』と命名された
この笹本六太郎力丸ことロクは、幼少期の間に、基本芸をおかんから仕込まれた。
なのでか、
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-② BoB Project 2011
わたくしの言うことには反応してくれず、愛想だけを振りまいていた
その反応しないロクを見ては、おかんはどや顔で喜んでいた
そして、
わたくしの言うことを聞いてくれる頃には
No.347 『笹本六太郎力丸伝・第二幕』-③ BoB Project 2011
ロクは中学生程の年齢と大きさになっていた
そう、
ロクとおかんの不思議な出来ごとも、このころからだった・・・
------ つ づ く ------
2011年08月28日
作品340 笹本六太郎力丸伝 第 一 幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 一 幕
わたくしの実家では、わたくしが誕生する前から数え
代々、合計3匹の犬をファミリーとして生活していた
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-① BoB Project 2011
名前はすべて『コロ』。左から、コロ1号、2号、3号
1号は、わたくしが生まれる前で、全く知らず、写真で見た限り。
2号は、何かニヒルな感じ 大阪へ一緒に引っ越しした仲
3号は、以外と喧嘩っぱやく、今のドンちゃんに会わせて見たい奴
そんな、3匹に共通しているのは、皆、雑種。そして、オス
また、犬生を全う出来ていないところも共通している
1号は、他人に殺害されたと聞いているし、2号は、全盛期に大通りで交通事故。
3号も、全盛期の後半に毒入りパンを食べてしまったのだ
そして、
3号が他界してから、見るに見かねたBoB'sおかんは愛犬禁止令を発令した
愛犬禁止令が発令されたまま、
5年経ったある日、、、
わたくしは、高校生
学校から帰宅すると、おかんが寄って来て
『あんたっ、いつも行くスーパーに黒い子犬居てたわ。
子供さんが貰って来たらしいんやけど、手におえやんのやと。
あんたが気にいったんやったら、連れてきてもエエよっ』と、
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-② BoB Project 2011
いきなりの愛犬禁止令解除宣言がなされたっ
今思えば、なぜこの瞬間だったのか? 分からないままであるが、
当時のわたくしには、それどころでは無く、
解除宣言が出るとスグに、そのスーパーにむかっていた
スーパーに着くとあいさつもそこそこに、
その黒い犬を見せて貰い、
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-③ BoB Project 2011
『ほなっ、もろて行きます』と、有無も言わせない勢いで
家に連れて帰った
こうして、後に"ロク"と呼ばれる黒い犬は
愛犬禁止令・解禁を招き、おかんからの刺客的存在として
ファミリーの一員となった
P.S.
ところで、
皆さまにご心配をおかけした
ドンちゃんは、刈られた毛もはえて来て完全復活っ
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-④ BoB Project 2011
しかし、ドンちゃんは"ロク"が一番イヤがるタイプの犬やろな・・・
と絵を描いていて思った
------ つ づ く ------
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
数回に渡り、月1~2回ペースでお送りしてまいります。
題して、
第 一 幕
わたくしの実家では、わたくしが誕生する前から数え
代々、合計3匹の犬をファミリーとして生活していた
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-① BoB Project 2011
名前はすべて『コロ』。左から、コロ1号、2号、3号
1号は、わたくしが生まれる前で、全く知らず、写真で見た限り。
2号は、何かニヒルな感じ 大阪へ一緒に引っ越しした仲
3号は、以外と喧嘩っぱやく、今のドンちゃんに会わせて見たい奴
そんな、3匹に共通しているのは、皆、雑種。そして、オス
また、犬生を全う出来ていないところも共通している
1号は、他人に殺害されたと聞いているし、2号は、全盛期に大通りで交通事故。
3号も、全盛期の後半に毒入りパンを食べてしまったのだ
そして、
3号が他界してから、見るに見かねたBoB'sおかんは愛犬禁止令を発令した
愛犬禁止令が発令されたまま、
5年経ったある日、、、
わたくしは、高校生
学校から帰宅すると、おかんが寄って来て
『あんたっ、いつも行くスーパーに黒い子犬居てたわ。
子供さんが貰って来たらしいんやけど、手におえやんのやと。
あんたが気にいったんやったら、連れてきてもエエよっ』と、
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-② BoB Project 2011
いきなりの愛犬禁止令解除宣言がなされたっ
今思えば、なぜこの瞬間だったのか? 分からないままであるが、
当時のわたくしには、それどころでは無く、
解除宣言が出るとスグに、そのスーパーにむかっていた
スーパーに着くとあいさつもそこそこに、
その黒い犬を見せて貰い、
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-③ BoB Project 2011
『ほなっ、もろて行きます』と、有無も言わせない勢いで
家に連れて帰った
こうして、後に"ロク"と呼ばれる黒い犬は
愛犬禁止令・解禁を招き、おかんからの刺客的存在として
ファミリーの一員となった
P.S.
ところで、
皆さまにご心配をおかけした
ドンちゃんは、刈られた毛もはえて来て完全復活っ
No.340 『笹本六太郎力丸伝・第一幕』-④ BoB Project 2011
しかし、ドンちゃんは"ロク"が一番イヤがるタイプの犬やろな・・・
と絵を描いていて思った
------ つ づ く ------