2013年02月18日
作品567 笹本六太郎力丸伝 最 終 幕
さて、さて、
ブログ再開の一発目は、ずっとご無沙汰していました、
この話からお送りします
しかも
、いきなりの最終幕
我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た
その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
全12話にわたりお送りして参りました。
題して、


【注】久しぶりなので、「話忘れた」って方は、
「ロク」の顔⇈クリックして!!
最 終 幕

ロクの心の声をやっと聞くことが出来たわたくしは、
「何て、うといんやっ・・・
何で、もっと早よ気ィーつかんのよっ?!」と自問自答を続けていた
しかし、
そんなことをしている間にも、刻々とその時を迎えようとし
ロクは呼吸するので精一杯になって来ていた

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-① BoB Project 2013
そんな時も常に声は聞こえている・・・
『BoB 早くっ! 早くっ!』
やがて、ビックリするほどキャサリンは急速に回復し、
プリンス共々、退院できることとなった
退院手続きも早々にし、
我々、愛の一家全員でロクの元へと急いだ

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-② BoB Project 2013
それは、
キャサリンが一命を取り留めたでから僅かの日しかたっていなかった・・・

ロクの元へ到着し、
我々が目にしたロクは、つい先日から更に痩せ細り、
横になった全身を震わせながら、
只、一生懸命に息をしているだけの姿だった
その姿を見たとたん、
わたくしは涙が溢れ、
『ロクっ、遅なってゴメンよ・・・』って言葉を繰り返していた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-③ BoB Project 2013
その声に気が付いたかロクは、
何と、うつろな目のまま首を必死に持ち上げようとしだしたのだっ

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-④ BoB Project 2013
『ロクっ!! ええから寝とけってっ!!』叫ぶわたくしの声も
聞こえていないかの様にやがて起きようしてきた

ここ数カ月動こうとしなかったロクは、
どうも、
この一瞬の為に体力を温存していたに違いないと後で思った・・・

前足で殆どの体を支え、シッポを緩やかに振りながら、
ゆっくり、ゆっくり立ち上がったロクっ
その震える姿からは、
もう目も見えていないし、
耳も聞こえていないことは一目瞭然だった。
そんなロクは、
最後の力を振り絞り、ヨロヨロと前足だけで歩いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑤ BoB Project 2013

しかも、
『これを、しとかんと・・・』と心の声を発しながら、
数歩先に居る
キャサリンに抱かれているプリンスの元へ、
ゆっくり、ゆっくり進んで行った

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑥ BoB Project 2013
最後の頼りである嗅覚を必死に使い、プリンスを探すロク。
キャサリンは堪らず、
『ロクっ、プリンスやでっ!!』って泣きながら差し出し、
やっとプリンスにたどり着いた。

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑦ BoB Project 2013
すると、ロクは
乾ききった舌でゆっくり、ゆっくりとプリンスの頬を舐めた。
まるで、
『プリンス、会えてよかった。』と語りかけている様に…
何度も何度も、それは続いた。。。
そして、
プリンスの横に居たわたくしの方を向いたロクは、

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑧ BoB Project 2013
見えていない目なのに、いつもの優しい目をしていた。
その目は
『ありがとう。』と言っているかのように見えた。。。
その日の夕刻、
ロクは16年間の犬生に幕を閉じた。。。

ロクの使命
それはおかんからの
【BoBの子供を確認してくること】やったんやろか・・・
そして、最後に
ロクはプリンスに何かを託した様にも思えた。
それは、
何かはわからんけど、
プリンスが今の愛犬ドンちゃんを選んだことで、
ドンちゃんにそれを託してたりして
(そろらないか・・・
)
ロク、色々と支えてくれて
こちらこそ、ありがとう
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑨ BoB Project 2013
------ お わ り ------
ブログ再開の一発目は、ずっとご無沙汰していました、
この話からお送りします

しかも


我、愛の一家にドンちゃんが加わる約10年前まで、
わたくし、BoBの実家には、
母親がシェパード、父親は和犬の不倫の子
四代目・愛犬が居た

その名を『笹本六太郎力丸』。通称"ロク"と呼ばれていた。
この"ロク"がもたらした、ちょっと不思議な話を
全12話にわたりお送りして参りました。
題して、


【注】久しぶりなので、「話忘れた」って方は、
「ロク」の顔⇈クリックして!!
最 終 幕

ロクの心の声をやっと聞くことが出来たわたくしは、
「何て、うといんやっ・・・

何で、もっと早よ気ィーつかんのよっ?!」と自問自答を続けていた

しかし、
そんなことをしている間にも、刻々とその時を迎えようとし
ロクは呼吸するので精一杯になって来ていた


No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-① BoB Project 2013
そんな時も常に声は聞こえている・・・
『BoB 早くっ! 早くっ!』
やがて、ビックリするほどキャサリンは急速に回復し、
プリンス共々、退院できることとなった

退院手続きも早々にし、
我々、愛の一家全員でロクの元へと急いだ


No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-② BoB Project 2013
それは、
キャサリンが一命を取り留めたでから僅かの日しかたっていなかった・・・

ロクの元へ到着し、
我々が目にしたロクは、つい先日から更に痩せ細り、
横になった全身を震わせながら、
只、一生懸命に息をしているだけの姿だった

その姿を見たとたん、
わたくしは涙が溢れ、
『ロクっ、遅なってゴメンよ・・・』って言葉を繰り返していた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-③ BoB Project 2013
その声に気が付いたかロクは、
何と、うつろな目のまま首を必死に持ち上げようとしだしたのだっ


No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-④ BoB Project 2013
『ロクっ!! ええから寝とけってっ!!』叫ぶわたくしの声も
聞こえていないかの様にやがて起きようしてきた


ここ数カ月動こうとしなかったロクは、
どうも、
この一瞬の為に体力を温存していたに違いないと後で思った・・・


前足で殆どの体を支え、シッポを緩やかに振りながら、
ゆっくり、ゆっくり立ち上がったロクっ

その震える姿からは、
もう目も見えていないし、
耳も聞こえていないことは一目瞭然だった。
そんなロクは、
最後の力を振り絞り、ヨロヨロと前足だけで歩いた。
No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑤ BoB Project 2013

しかも、
『これを、しとかんと・・・』と心の声を発しながら、
数歩先に居る
キャサリンに抱かれているプリンスの元へ、
ゆっくり、ゆっくり進んで行った


No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑥ BoB Project 2013
最後の頼りである嗅覚を必死に使い、プリンスを探すロク。
キャサリンは堪らず、
『ロクっ、プリンスやでっ!!』って泣きながら差し出し、
やっとプリンスにたどり着いた。

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑦ BoB Project 2013
すると、ロクは
乾ききった舌でゆっくり、ゆっくりとプリンスの頬を舐めた。
まるで、
『プリンス、会えてよかった。』と語りかけている様に…
何度も何度も、それは続いた。。。
そして、
プリンスの横に居たわたくしの方を向いたロクは、

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑧ BoB Project 2013
見えていない目なのに、いつもの優しい目をしていた。
その目は
『ありがとう。』と言っているかのように見えた。。。
その日の夕刻、
ロクは16年間の犬生に幕を閉じた。。。

ロクの使命
それはおかんからの
【BoBの子供を確認してくること】やったんやろか・・・
そして、最後に
ロクはプリンスに何かを託した様にも思えた。
それは、
何かはわからんけど、
プリンスが今の愛犬ドンちゃんを選んだことで、
ドンちゃんにそれを託してたりして


ロク、色々と支えてくれて
こちらこそ、ありがとう

No.567 『笹本六太郎力丸伝・最終幕』-⑨ BoB Project 2013
------ お わ り ------